コンサートと同じタイトルの5曲入りミニアルバム“How I Survived”を10月29日にコンサート会場でリリースします。そのコンサートでドラムスを担当するイトケンさんがレコーディング・エンジニアも引き受けて下さいました。録音の様子など水谷紹がインタビュー。
「全5曲のうち3曲は不破大輔さんのウッドベースと水谷紹のヴォーカルのみという、なかなか無いレコーディングでした」
水谷「エンジニアお引き受け頂き、ありがとうございました」
イトケン「お疲れ様でした」
水谷「今回は渋さ知らズの不破大輔さんにウッドベースを弾いて頂いたんですが、そうですね、まずはマイクのことなんかから。何本立てたの?」
イトケン「オンめ(ベースの近く)にAudio Technica AT4060を1本、アンビエントにearthworksの高いヤツを2本、と、不破さんのベースに取り付けてあったピックアップをラインで。ECHO AND CLOUD STUDIOの松井さんもウッドベース弾かれる方なんで、最近のお勧めのマイクをリサーチしたりもして」
水谷「で、ボクのメインボーカルがNeumann U-87、あとで被せたコーラスがAudio Technica AT4050でしたね」
イトケン「メインとコーラス、マイク違ったけど質感は揃ってましたね」
水谷「良い感じにして頂いて」
イトケン「水谷さんの声って、なんだろ、倍音…じゃない…ノイズ成分が多いからマイクに乗りやすい」
水谷「年々ノイズが増えてきちゃってさ(笑)、でも今回は不破さんのザザっとした魂の入ったサウンドに対抗するには良かったかもね」
イトケン「EQの引っかかりも良かったから色々イジリやすかったですよ。ここの帯域の成分が多いから削ればこうなるな、とか見えやすかった」
水谷「良かったー」
イトケン「視覚化しやすい声(笑)」
水谷「ボクいつも歌録ってもエンジニアさんに何もかもお任せで、自分の声の感想とか詳しく聞いたことなかったから新鮮だわ」
イトケン「ボクの方も水谷さんとマイクとの距離とか何も指定せずに気にせずに録っちゃった」
水谷「途中で近すぎたかなって気づいたんだけど、不破さんの音聞いて歌っててオンマイクでニュアンス出したくなってたんだよね」
イトケン「ウインド・スクリーンあったから大丈夫だった」
水谷「そういえば不破さんにもボーカル・マイク立てときゃ良かったなって思ったんだけど」
イトケン「演奏しながら唸ってる声ね、グレン・グールドとか…」
水谷「セロニアス・モンクみたいな。不破さんあそこまで唸ってるとは思ってなかった(笑)」
イトケン「ミックスしながら、消せるかなってイジってみたけどダメだった」
水谷「うん、でもあれも音楽の一部だから。ボクは気持ち良い」
イトケン「こういうの初めて聞く人はびっくりするでしょうけどね。それにしてもウッドベースと歌だけって中々ないなって思ってました」
水谷「ボクの心の中にはアートと節約とがいつもあってね(笑)」
イトケン「節約の結果ですか(笑)」
水谷「いやいやアートですよ。今年のワッツ・タワーズのリハの時さ、ずっと“ゲット・バック”(ビートルズのドキュメンタリー)の話してたじゃん。自分でもスタジオに入ってから話し合いで音楽作るっていうの、やりたくなってたのかもね」
イトケン「不破さんも事前に準備して来た作戦を全部捨てて、その場で作り直して下さいましたよね」
水谷「そういう意味ではワッツも“相談芸術”だから。ボクがずっと忘れてた喜びを思い出させてくれる大好きなセッションなんですよ」
イトケン「相談芸術(笑)。実は曲以外の不破さんと水谷さんが話し合ってる音声も録ってあるんですよ。これ後で聞いたら面白いかもって」
水谷「うそー、嬉しいなあ」
イトケン「どうしてあの曲はああなったのか、ドキュメンタリーで録音されてるわけ」
水谷「いやあ、ありがとうございます。それにしても今回のECHO AND CLOUD STUDIOは良いスタジオでした」
イトケン「居心地がいいし、スタジオスタジオしてる音じゃないしね」
水谷「インテリアも良いよね、レトロ・モダンっていうか。古い機材も…テープ・エコーとかのガジェットが然りげ無くころがってたりして」
イトケン「松井さんが好きなんでしょうね、機材」
水谷「いやあ、重ね重ね、イトケンさんにお願いして本当に良かった。近年で一番面白い作品になりました。10月29日のコンサートもよろしくお願いします!」
イトケン「ああ、もうすぐですね!よろしくお願いします!」
“How I Survived” [EQCD-0013]
1.ダイクへの注文 02:44
2. 少年と犬 03:29
3. 傷ついちゃったので 03:44
4. 子供だった 02:28
5. フラワー・ビジネス 04:11
AKIRA MIZUTANI vocal
DAISUKE FUWA wood bass (on track 1, 2, 3)
recorded at ECHO AND CLOUD STUDIO
produced by AKIRA MIZUTANI
engineered by ITOKEN
photo by MANAMI MAEDA
all songs composed by AKIRA MIZUTANI
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